このコラムのまとめ
- 1 マンション管理適正化法が令和2年に改正され,令和4年4月1日から施行されます。
- 2 マンション管理適正化推進計画制度ができました。
- 3 管理計画認定制度ができました。
- 4 市区等がマンション管理組合に助言・指導・勧告できるようになりました。
マンションの老朽化を防げ!マンション管理適正化法が改正
戦後,マンションが特に都市部の主要な居住空間として発達してきました。
一方,竣工後40年を超えるマンションも,現在既に100万戸以上あることが分かっており,これはマンションストック総数の実に15%を占めています。
これらの高経年マンションは,外壁や躯体に多くの問題を生じやすい一方,住民の高齢化が進んで管理が行き届かないという悪循環にあります。
こうした高経年マンションの管理を良くするため,マンション管理適正化法が令和2年に改正され,令和4年4月1日から施行されます。
管理適正化推進計画
まず,市区等は,国の定めたマンション管理適正化指針に基づいて,マンション管理適正化推進計画を定めることができることになりました。これは地域独自の事情を汲んだものとすることができます。
マンションの管理計画認定制度
次に,推進計画を定めた地方公共団体は,一定の基準を満たすマンションの管理計画を認定することができます。
個々のマンション管理組合が自治体に管理計画の認定を申請し,これが通れば,管理の優良なマンションとしてお墨付きを得ることができます。具体的メリットとしても,リフォーム融資で金利の引き下げ措置を行うことが検討されています(フラット35)。
管理の適正化のために市区等が助言・指導・勧告することに
また,自治体は,マンション管理の適正化のために助言・指導し,不適切管理に対しては勧告を出せることとなりました。
例えば,総会が開催されていない,管理者等が定められていない,管理規約が存在しない,管理費と修繕積立金の分別管理ができていない,そもそも修繕積立金がないなどの場合が対象に考えられます。
ご自身の所有するマンションの管理に頭を悩まされておられる方は多いでしょう。今回の改正は,適正な管理に対してインセンティブを与え,かつ不適切管理を厳しく扱うものです。今改正を適正管理へのきっかけとして頂ければと思います。
気になる点がありましたら,ぜひお気軽にご相談ください。
この記事は、掲載時点の法律関係を前提として記載されています。法改正などにより、解釈適用に変更が生じる可能性がありますのでご注意ください。