遺産分割協議について

1 遺産分割協議とは

遺産分割協議とは,ある方がお亡くなりになって相続が発生した場合に,相続人が複数いることがあります。その共同相続人全員で話し合って,遺産をどのように分けるのかについて合意することです。

2 よくあるお悩み

遺産分割協議について

人の一生のうち,遺産を相続する機会は多くありません。多くの人が一度だけしか経験しないでしょう。つまり,ほとんどの人が相続の初心者であり,経験などありません。どのように相続手続をすすめてよいのか,分からないのが普通なのです。

まず,相続の手続を行うとして,誰を相手にすればよいのでしょうか。相続人の範囲などが問題になります。

また,相続で分けるとして,一体何が対象となる遺産なのでしょうか。遺産の範囲などが問題になります。

相続人が全員判明し,対象となる遺産も分かったとしても,これらを誰にどのように分ければよいのでしょうか。遺産分割の本体部分といえます。

このような相続の手続や協議を,親族間で和やかに行えるならばどんなによいでしょうか。しかし,現実には,お金の絡むことであり,なおかつ家族の問題であって,いろんな家族の歴史や感情の軋轢が,相続手続に反映してくるものです。相続の話し合いである遺産分割協議は,しばしば紛糾してしまいます。相続人の中には,親族同士で争うことへの抵抗感が大きい方もいるでしょう。

3 対応に限界を感じたら

  1. 多面的な問題
    遺産分割協議は,たくさんの側面があります。相続人の範囲や遺産の調査においては事実の調査という側面があります。
    一方,遺産分割協議は,民法という法律の問題でもあります。さらに,相続を考える上で欠かすことができない税金の問題でもあります。
    加えて,相続は親族の関係性から生じるものですから,多くの場合,感情の問題でもあります。これは上記の理性や理屈の側面とは全く違うベクトルを持っています。要するに,理屈では割り切れないのです。
  2. 心の負担
    上記のように,遺産分割協議は,お金と心情の問題が複雑に入り組んだものです。相続人間で合意を得ることは簡単ではありません。親族とお金でもめるとなると,心理的に負担を感じる方もおられるでしょう。

 なお、現在まで遺産分割協議に期限は無かったのですが、令和3年民法改正により、10年経過後は法定相続分で行うというルールができました(新民法904条の3)。ですので、本改正施行後には相続開始後10年という期限が生じます。

4 弁護士に依頼するメリット

ご自身で遺産分割協議に対応し,弁護士に依頼しない場合は,上記のような複雑な遺産分割に一人で立ち向かう必要があります。時間的,心理的な負担はもちろんですが,相続人や遺産の調査に際して,これらを見落とす可能性もあります。

相続の手続は,民法などの法律に関わってきます。こうした法律面で,実際に調停期日での対応ができるかが問題になります。

遺産分割協議は,事実面,法律面で専門性が高く,さらに親族間での争いとなれば心の負担も大きい手続です。心の負担はある程度やむをえませんが,せめて事実調査や法律の面で不安を取り除くことができる弁護士への依頼はメリットが大きいといえます。

さらに,税務面を考慮できる弁護士なら,経済的メリットが最大となる戦術が選べます(あわせて正確な計算のために税理士への依頼が必須)。

結論として,遺産分割協議に際しては,税務と民法をつなぐリンク役の弁護士に依頼されるのが最も利益が高いでしょう。当職は,ご依頼者様の利益は最大に,そして心も晴れやかにすることを心がけています。

執筆:弁護士 田村裕樹  2022年1月時点の法令・解釈等に基づいています。

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