1 葬儀についての希望
自分が死んだ後,どのような葬式をしてもらいたいかは,人の心の根幹に関わることでしょう。
もちろん,生前信仰していた宗教の方式でやってもらいたい,というご希望が最も多いのではないでしょうか。
その場合でも,死後事務委任契約で確実にご自身が望む見送り方をしてもらうことができます。
近年は,樹木葬や散骨など,新しい形の見送り方が徐々に定着してきています。
なお,火葬や埋葬のための許可証は,その届出する権利がある方にして頂く必要があり,依頼を受けた弁護士ではできないのでご注意下さい。
2 散骨は違法では無い
ご依頼者が散骨してほしい!との意向がある場合,死後事務委任契約を活用することで実現できます。
ところで,散骨は「墓地,埋葬等に関する法律」で規定されていないため,禁止されていません。一方で,各自治体によっては扱いが異なるため,確認する必要があります。
3 骨を土中に埋める場合は注意が必要
散骨と言っても,その様式は様々です。
仮に,希望される散骨のやり方が,焼いた骨を最終的に土に埋める場合には,法律上,墓地以外の区域ではできません。
この場合には,あらかじめそうした埋葬が可能な墓地を確保しておく必要があります。
これは樹木葬についても同様です。
執筆:弁護士 田村裕樹 2023年1月時点の法令・解釈等に基づいています。