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話題のメタバース!「The Sandbox」(サンドボックス)をはじめました! (1)規約のチェック,インストールして動かすまで

2022-10-14

このコラムのまとめ

  • メタバースが話題だが,日本で有名なVRChatやクラスターは商用利用が難しい(運営の許諾が必要)。
  • 世界的には,ブロックチェーンをベースにして中央集権的では無いメタバースが存在し,一定の人気を得ている。その場合,多くが商用利用が可能。
  • 海外のメタバースの多くは情報が少なく,日本人も少ない。その中でもThe Sandbox(サンドボックス)は比較的情報が多く,日本人参加者も一定程度いるとのこと。
  • 初心者がサンドボックスをインストールするまでの体験を記す。

メタバースが話題に

 昨今,仮想世界であるメタバースがよく話題になっています。デジタル技術に明るい層だけでなく,一般のニュースでも取り上げられることが多くなってきました。

 メタバースの正式な定義はともかく,コンピュータ上に構築された一種の箱庭的空間で,特にその中でコミュニケーションを取ることに主眼があるものをメタバースと呼ぶ傾向がありますね。

 私,メタバースって,VRゴーグルを使って体験するものだけなのかなと思っていました。しかし,VR的なものでなくても,単にモニター上に表現された仮想空間であってもメタバースと呼ばれているようです。

 たしかに,Quest2などで体験するメタバースは新鮮で楽しいですが,長時間続けることが難しいです。私の場合,酔ってきてしまいます。また,バッテリー的にも長時間は厳しいです(電源ケーブルを繋げばOKですが)。

 その点,モニタ上で見る分には,それほど疲れませんしね。

メタバースは仕事に使えるの?

 単にゲームをしたり,(興味ないのですが)ゲームして仮想通貨をもらう,みたいな方向性ではなくて,実際の仕事にメタバースが使えるのか,という点は,ネット上でもあまり触れられていません。

 Quest2の会議室みたいなアプリ(Horizon Workrooms)を使う分には,すぐに利用できます。

 しかし,例えばメタバース内で何らかの商行為を行う(私だと,法律事務所として相談を受ける,などでしょうか)ことは可能でしょうか。

 この点について触れられている記事はほとんどないです。実際に,日本で有名なメタバースであるVRchatやクラスターの規約をチェックしますと,商用利用は基本的に出来ない(運営の許諾が必要)とされています。

 ですので,比較的日本人が多いメタバースは,正直仕事としては難しい部分があります。

ならば海外に目を向けてみると

 この点,メタバースは日本より外国の方が発展しています。運営企業が完全にコントロールする世界でなく,ブロックチェーン技術をベースにより自由度の高いメタバースも世界には存在しています。

 私が気になったのは,DecentralandとThe Sandboxでした。

https://decentraland.org

https://www.sandbox.game/jp/

 中でも,The Sandboxは多くの企業が進出し,仮想空間上に店舗?を出しているとのことで,チャレンジしてみました。Decentralandもそのうちやってみたいですね。

 なお,この記事は,The SandboxのAlpha Season3での状況であり,それ以前を考慮していませんし,あるいは今後のアップデート等によって変更があることをご了解くださいませ。

The Sandboxとは

 The Sandboxの概要については,別途検索してもらった方がよく分かると思います。

 ごく簡単に言えば,The Sandboxはゲームプラットフォームです。The Sandboxで実行できるゲームのエディタが用意されていたり,アイテムを作るデザイナーツールがあります。

 また,LANDという土地(有限)があり,それぞれのLANDに所有者が設定されます。LANDは仮想通貨で売買されていて,結構な値動きがあります。

 これらはSANDというETH(イーサリアム)ベースの独自の仮想通貨が基盤として流通しています。

The Sandboxの規約

The Sandboxのロゴなどの商用利用は禁止されていますが,ゲーム内の土地やアセット(データを編集して作られた構造物),ゲーム内ゲームなどの所有権(デジタルなので所有権ではないのですが)はユーザにあるとされています。

 ユーザーは土地などにタイトルをつけることができ,ヘイトスピーチなど有害なもの以外は認められるとあります。

LANDS

You may purchase Lands within The Sandbox. Within your Land, you may edit your Metadata to adjust title, description, URL link, preview image, and logo. All Metadata (and any URL, images, or logos to which it links or that are uploaded) must comply with these Terms and specifically cannot link to or contain any material or content that is pornographic, threatening, harassing, libelous, hate-oriented, harmful, defamatory, racist, xenophobic, or illegal. We reserve the right to moderate and/or delete any Metadata that does not comply with these Terms.

 また,電子的な構造物であるアセットをユーザが販売することが出来るとあります(ただし,未だ全ユーザに対しては実装されていないようです)。

 さらに,明確に,The Sandboxは,ユーザが公開したアセットやゲームなどにユーザ自身の名前や商標をつけることを認めています。

OWNERSHIP OF ASSETS AND GAMES

During the operation of the Services, you may upload certain Assets and Games that you have created to The Sandbox in accordance with these Terms. Except as otherwise set forth in these Terms, you remain the owner of your Assets and Games at all times, and TSB does not claim any ownership rights in your Assets and Games. Assets and Games are otherwise subject to the following provisions. These Terms apply to all Assets and Games that you contribute to The Sandbox or to any TSB website.

 なお,共有されているコンテンツを公に表示するライセンスもユーザーに与えているので,例えばホーム画面などをウェブサイトに載せることはできると思われます。

By using the Services, you grant TSB a worldwide, non-exclusive, royalty-free, perpetual, irrevocable, sub-licensable (through multiple tiers), transferable right and license to use, reproduce, publicly display, distribute and adapt the publicly shared Assets and Games for the purposes of developing, distributing, providing, improving, and promoting the Services, our activities, and your publicly shared Assets and Games. You further grant TSB the right to use your name and trademarks, if any, in connection with our use of your publicly shared Assets and Games.

 ただし,当然ですが,悪用(迷惑な広告メールの送信,個人情報の収集,他人を詐称する,ギャンブル,その他普通にダメな行為)は禁止されています。

 なお,日本在住の場合,法律上の制限(刑法の賭博罪,景表法)により,イベントで仮想通貨の報酬を得ることはできません。

JAPAN RESIDENTS NOTIFICATION

日本在住の方は、コンテストや様々な活動に参加して報酬を得ることができますが、日本での制限により、これらの報酬にはSANDは含まれません。

まずはイーサリアムを扱える取引所に口座開設

 The Sandboxは,SANDが無いと登録してはじめることができません。SANDを得るにはETHが必要です(基本的に)。

 ですので,まずはETHを自分のものとして所持できる口座が必要になります。

 とりあえず,私はコインチェックに口座を開設しました。本人確認にスマホによる撮影を採用しているので,開設までの所要時間がかなり短いです。

 なお,私はコインチェックに日本円を送金し,ETHを購入しました。現在は,コインチェックで直接SANDが買えるみたいです。

メタマスクというウォレットが必要

 The Sandboxは,SANDが無いとはじめられません。このSANDを持っているという状態にするには,ウォレットというソフトをインストールして,そこにSANDを入れる必要があります。

 どうやら一般的にメタマスクというウォレットが使われているようです。

https://metamask.io

 まずメタマスクをMacにインストールしてみました。その後,コインチェックからETHをメタマスク(ブロックチェーン技術により一つに特定されているようで,暗号式みたいな口座番号に送金する)に送金しました。

 ところが,いつまで経ってもウォレットにETHが来ません。あちゃー,なんかやらかしたかな?と思って1日経過しました。

 次の日に,コインチェックからメールで,セキュリティのため送金を中止しました,手順に従って意思確認をしてください,との連絡が来ました。正直,早く言ってよ〜と思いましたが,案内のとおりにして自分の意思で送金したと主張したところ,無事ウォレットにETHが送られました。やった!(なお,すぐに連絡しないのはメアドごと乗っ取られている可能性を考慮していると思われますので,そのことに不満は無いです)

 ETHをSANDに交換するのは,メタマスクで簡単にできます。交換みたいな機能を選んでクリックすればそれでOKでした。これにも少し時間が掛かりましたが,さっきのコインチェックの1日遅れみたいなことはなく,数分でETHがSANDに両替されました。

WEBブラウザにウォレットをインストールして登録完了

 The Sandboxの初期登録を行いときに,WEBブラウザにウォレットをインストールする作業が入ります。これは難しいものではないです。誘導に乗ってクリックや入力していけばよいので。

 その後,登録情報を入れれば登録完了です。

 ちゃんとSANDも入ってます(入っていないと登録できないですが)。

 このあと,The Sandboxの(ブラウザではなく)単独で動くアプリのインストールを促されるので,その通りにしました。

今後の予定

 The Sandboxの登録がやっと終わりました。

 基本的にMacでやりましたが,M1のMacならパワー不足は感じませんでした。ちょっと古いWinパソコンでやってみたら,すんごく遅いです。最近のパソコンなら問題ないでしょう。

 次は,ゲームやアセットを作ってみたいと思います。この後も待ち受けるトラブル・・・はたして私はここで何かをできるようになるのかな。次回をお楽しみに!(あるのかな)


この記事は、掲載時点の法律関係を前提として記載されています。法改正などにより、解釈適用に変更が生じる可能性がありますのでご注意ください。

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