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ふなっしーとのコラボが決め手!?「船橋のなし」は登録商標/弁護士が解説

2021-10-13

このコラムの要約

 船橋のなしは地域団体商標として登録されています。地域団体商標は、周知性の要件が緩和されていますが、JAいちかわは船橋のゆるきゃら「ふなっしー」とのコラボなどでPRを重ね、登録にこぎ着けました。

 地域団体商標されたことで、より一層地域ブランドの振興が期待できます。

1 船橋のなしを頂きました

お客様から,船橋のなしを頂きました。大きくて立派,食べても甘くて最高です。

2 船橋のなしは地域団体商標

 「船橋のなし」は,地域団体商標制度により,商標登録されています(商標登録第5717347号、https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/chidan/shoukai/ichiran/5717347.html)。

3 地域団体商標が特別な理由

 いわゆる地域ブランドと呼ばれるものがあります。

 日本各地の特産品や地域特有のサービスなどです。

 例えば、米沢牛、唐津焼など、「地域名 + 商品(サービス)名」 となっているものが多いです。

 通常、「地域名 + 商品(サービス)名」の組み合わせからなる文字商標は、「全国的に周知」となっていなければ登録できません。

 地域団体商標 は、この登録要件を緩和する制度です。

4 ふなっしーが強力プッシュ

 登録できるのは、この商品・サービスを担っている者で構成される団体(農協や商工会など)に限定されています。

 なお、緩和とはいえ、一定程度の需要者に周知されていることが必要です。

 船橋のなしは、ゆるきゃら「ふなっしー」の協力を得て県外でのPR活動を行い、登録にこぎ着けました。

(詳しい説明はhttps://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/chidan/document/setsumei_seminar/setsumeikai_siryo.pdfなど参照

5 構成員だけが使える武器

 地域団体商標は団体で登録され、その団体の構成員やライセンスを受けた者だけが使用できます。

 「船橋のなし」の商標権者はJAいちかわですので、JAいちかわの組合員がこの商標を使用でき、他の者は使用できません。

 今回頂いた梨は、「藤果園」さんの作った梨です。藤果園(を運営している生産者の方)は、おそらくJAいちかわの組合員ですので(JAいちかわのHPにある藤果園の紹介ページ、http://www.ja-ichikawashi.or.jp/chokubaijo/detail.php?id=1221)問題なく「船橋のなし」が使えるわけです。

 他者がその名を使えないことは、差別化等の上で大変有利に働きます。そうした点が地域団体商標を取得する理由の一つです。

 また、商標登録されることで、より周知されたり、他業種とのコラボレーションに寄与したりなど、地域ブランドの一層の振興が期待されます。


 この記事は、掲載時点の法律関係を前提として記載されています。法改正などにより、解釈適用に変更が生じる可能性がありますのでご注意ください。

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